2022年11月30日、
唐津港に停泊中の掃海艇”やくしま”を見学して来ました。
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やくしまは、ひらしま型の2番艇で、
要目は以下の通りです。

基準排水量 570トン
満載排水量 650トン
全長  57メートル
最大幅  9.8メートル
深さ   4.4メートル
機関方式    CODOE方式
主機 三菱6NMUディーゼルエンジン×2基
・補助電動機×2基
推進器 スクリュープロペラ×2軸
出力  2,200馬力
電力 ディーゼル主発電機 (400kW)×4基
速力 14ノット (26 km/h)
乗員 48人

護衛艦は何度も見学した事があるものの、
掃海艇は初めてだったので興味津々です。
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まずは受付で整理券をもらいます。
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12時45分からの見学となります。
よく見ると、”掃海艇うくしま”となっています。
まあ、整理券は使いまわしでしょう。
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このテーブルには、自衛隊広報用の資料が置いてありました。
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時間になったので、乗り込みます。
乗組員の方が、かなり手慣れた様子で説明しています。
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TEM掃海具掃海具です。
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黄色い電線を延ばして、
磁気や発音体で機雷を感応させて爆破するようです。
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この2本のスティックが付いているコントローラーで、
掃海具の操作をします。
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これはフロートでしょうか。
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これはダイバー用の潜水具です。
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吐き出した息を循環させて、
泡が出ないようになっている特殊な物との事です。
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これは減圧カプセルで、
ダイバーがこの中に入り徐々に圧力を弱めて、
潜水病を防ぐための物です。
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ダイバーの具合が悪い時などは、
このカプセルごとヘリで病院まで運ぶことも出来るそうです。
このような装置は、初めてみました。
掃海艇ならではの装備でしょうか。
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これは循環式呼吸装置を装着しているところです。
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艦首に装備されている、高性能20ミリ機関砲。
機雷の処分が主な用途との事です。
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シールド後方の枠の中が弾薬箱を置く所です。

ベルト給弾の機関砲弾はガイドに沿って、
機関砲に引込まれます。
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多連装の機関砲に昔ながらの照準環の組み合わせですが、
妙にマッチしていて違和感は感じません。
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この中に機関砲弾が入っているようです。
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尾部にはオンオフスイッチと、
射撃モード切替?つまみが付いています。
射程は、2~3000メートルほどという話でした。
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艦橋の側面を利用して、
応急修理で使う角材を重ねて置いてあります。
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これは旗旒信号用の信号旗です。
アルファベット順と数字の番号順に並んでいます。

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今日掲げられているのは、
”WELCOME”だそうです。
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今でも合図を出す時の鐘があるんですね。
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ほうきがきちんと纏めてあります。
ここは喫煙場所となっています。
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形象物収納箱というロッカーのようなケースがありました。
何が入っているのか?
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これは自動膨張式救命いかだです。
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すぐ近くのフェリー乗り場から出航した、
壱岐行きのフェリーが通り過ぎていきます。

次にブリッジの見学をします。
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ブリッジ外にあったコンパスです。
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ブリッジ内部です。
液晶モニターが3面付いている、
非常に近代的な装置が目に入ります。
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モニターに映っている図や数字の意味を説明していただきました。
航海に関する情報が表示されていたと思います。
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これはたしか通信に関する装置だった?かと思います。
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その下には、訓練チェックオフリストという、
ファイルが入っているケースがありました。

管制・非常搬出・応急操舵などたくさんの項目の
訓練が行われていることがわかります。
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これは監視カメラのモニターです。
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前方の窓の上には、アナログの計器があります。53
デジタル機器を使っていても、
このようなアナログ機器は必要との事です。
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ここは艇長の席です。
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天井の蛍光灯には、保護用の枠が被せられています。
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このモニターには、停泊地点が同心円の中心に表示されています。
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これは磁気掃海具の電源です。
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自動と手動、パルスと連続の切り替えができます。
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左が出力電圧、右が電流を示す計器です。
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階段を下ると居住区ですが、立ち入りできませんでした。
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このゴツイPCは、パナソニックのタフブックという、
耐衝撃性能が高いモデルです。
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何が映っているのかと思ったら、
艇の外に接地してある電光掲示板に表示されていた、
”ようこそ自衛艦やくしまへ”
が入力されていました。
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この装置は、消磁自動管制装置と書いてあります。
掃海艇なのでこの艇の磁気を消すという事でしょうか。
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これはドコモの船舶電話でしょうか。
データ通信は、禁止になっています。
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ここは航海士用のテーブルです。
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海図の使い方の説明をされているところです。
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これはレーダー画面です。
白い部分がレーダーが探知した物のようです。
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これは船体に損傷を受けた箇所のランプが点灯する表示器です。
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こんなレトロな木製のケースがありました。
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再び外に出ます。
多くの見学者が、この双眼鏡を覗いていました。
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これは水中航走式機雷掃討具S-10・1型です。
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テレビカメラを見ながら遠隔操作して、
機雷へ近づきます。
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このS-10について詳しい説明をしていただきました。
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近くで見ると、かなりの大きさがあります。
テレビカメラと各種センサー、ソナーを装備して、
機雷を探知できるという優れた機能を持っているとの事。
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処分用爆雷散水装置というものが装備されています。
爆雷に散水するというのはどういう事なのでしょうか。
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これは先ほどのS-10を吊り上げるためのクレーンです。
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これはS-10で処分する機雷の側に置いて、
爆破処分するための爆雷(訓練用)です。
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という事で1時間ほどの掃海艇の見学が終了です。

今まで見た事が無い装備の数々や、
ブリッジ内を詳しく見る事が出来て、
非常に興味深く満足する事が出来ました。

掃海艇と言うと地味なイメージで、
護衛艦ほど興味をそそられない面がありましたが、

今回の見学で、見方が変わる事となりました。